彼らの多くは適切なサポートにつながることなく、バイトなどの非正規雇用を転々とし、失敗経験を繰り返しどんどん自信を喪失しています。それが長期化・複雑化すれば、社会参加意欲が減退し、ひきこもりや精神疾患へとつながっていきます。
卒業・中退後、所属を失った若者への公的な支援はあっても、その認知度は低く、多くの若者が社会の中で孤立している実態があります。
なお、厚生労働省の試算によると、若年無業者が25歳から65歳まで生活保護を受給し続けた場合と、納税者であり続けた場合の社会保障費にかかるコストギャップ(コスト差)は約1億5千万円にものぼると試算されています。※1 若年無業は個人の問題ではなく、社会の問題なのです。
私たちは本プロジェクトを通して、大学と支援機関が連携し、孤立するリスクの高い学生を支える仕組みが社会に浸透するよう働きかけます。また、国の指導により各大学が孤立するリスクの高い学生の把握に務めることをのぞみます。
本プロジェクトが広がることにより、様々な課題を抱える学生への理解や支援の必要性についてより議論が促進され、大卒無業者や若者が孤立することのない社会を目指します。
※1 厚生労働省「生活保護を受給し続けた場合と就業した場合の社会保障等に与える影響について」(2012年)